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NO BIKE NO LIFE

87分への道 〜 ヒルクライム大台ヶ原初参戦

1時間30分38秒 40位/184人(46〜55歳クラス)

何事も目標を立てて取り組むことが肝要。それが今回の教訓。
まだまだヒルクライム初心者のわたくし、伊吹山では、“60分切りですよー!”って、スタート地点でマッチョ君から言われて走って61分1秒掛かり、初めて60分切りの位置付けを理解した馬鹿者です。で、今回また同じ失敗を繰り返したので、そんなお馬鹿な切り口から大台ケ原を振り返ってみます。

大台ケ原で90分を切れば、“なんちゃってクライマー”を自称することが許される、のかどうかは知りませんが、複数の方から“90分切れそうですね”とか、“90分切ってくださいね”とか言われるので、1週間前辺りから何となく90分切りを意識しました。伊吹山はスタート10分前でしたけど、今回は1週間前ですから大きな成長です(そこが馬鹿なんだ)。
結果は撃沈。当たり前ですね。

公式記録  :90分38秒 
STRAVA  :90分32秒

6秒の差は公式チップ計測と、誰かがPC上可能な範囲で設定したセグメント(ゴール地点が少々手前のようだ)の違いなのでほぼ誤差と認定。ちなみにGARMINは激坂区間で一度GPSをロスして90分10秒でしたが、STRAVAがセグメント設定分はきっちり出してくれるので助かります。

8月6日、灼熱の単独試走が103分46秒だったので、90分切りが如何にきついかは何となく分かるものの、“あんな激坂ペース配分もくそもねーだろ”的な印象しかないコース。しかし実際レースで同じコースを走ってみると、ちゃんと作戦を立てておけば何とかなるかも知れないということが分かりました。何事も経験が大事。
端的に言えば、以下の3つのセグメントをそれぞれどうこなすかを考えて練習に活かすことが可能。
私の超恥ずかしいセグメント結果(by STRAVA)
公式計時とはちょっとズレがあるけど、3区間の記録が揃ってるので分析用にはこちらを使用。

第1区間 スタート〜激坂入口 →20分28秒
第2区間 激坂入口〜辻堂分岐 →41分23秒
第3区間 辻堂分岐〜ゴール  →28分50秒

レース前、ネットで少しググると非常に解り易くかつ大雑把に、第1:20分、第2:40分、第3:30分、計90分が目安、と書いている人がいました。3つの内どれか1秒でも短縮すれば90分切り達成ですが、そうは簡単にいきません。1と2は走ってみるとなかなかに難しい。このコースを走った人が見れば、セグメント毎の数字でその人の脚質はモロ見え透け透け。上記の数字から私を無理やりタイプ付けすれば、丘のアップダウンには対応できるが、10%超えが延々と続くと息も絶え絶え根性も尽きる、よく言えばパンチャー系、悪く言えば中途半端で使えない野郎。体重を落としても急勾配で使える筋肉が作れていないので、軽さを活かせていません。現に2年連続3位のK久保さんは私より数キロ体重が重いはず。付いている筋肉の質、筋肉の付いている場所が違うのでしょう。


区間分析
第1区間 スタート〜激坂入口 →20分28秒
先ずここで大事なのが、実は申込みのタイミング。カテゴリーごちゃ混ぜ&申し込み順の組み分けなので、当然1組が最もやる気で乗り込んで来た人達です。5組スタートのK野塾長によれば、それはそれは遅い出だしで怒り心頭だったそうです。私は2組で結構なスピードで助かりました。この区間で他人の脚を使って如何に貯金を作れるかは、早目の申込みが鍵となります。それと忘れてはいけないのが、狭い道を集団で高速走行するので注意していないと激しい落車にみまわれます。今回も前の方で落車した人が倒れていました。

第2区間 激坂入口〜辻堂分岐 →41分23秒
ここが90分切りを逃した最大の弱点露呈部分なのですが、ここで1分短縮できれば、実は第1区間でも結構な短縮が可能になります。どういう事かというと、非常に乱暴に平坦区間と言われる(実際の所、結構登っていることが下山時に実感できる)第1区間ですが、小処温泉分岐以降の数キロは、第2区間に入れてもいいくらいの勾配になってきます。そのため第2区間を1分短縮できる脚があって、さらに1組のペースに乗って走れば、ここを19分台で通過するのはさほど難しくないはずです。

第3区間 辻堂分岐〜ゴール  →28分50秒
丘のアップダウンには対応できるわたくし、ここはまずまずでしたが、それでも何か所かはインナーに落とさないといけない勾配が出てくるため、やはり第2区間で1分短縮できる脚作りが重要です。それと今回はあえて見ないようにしていたタイムですが、はっきり目標が設定されているなら、ここはやはり見た方がいいでしょう。見ると見ないとでは随分差が出ると思われます。



来年の目標を設定

 87分台!

いきなり3分かおいっ?!そうです、3分です。第1区間30秒+第2区間1分+第3区間30秒、これで88分台。さらに、もうすぐ出来上がる、つまり来年使用予定のバイクは今回より800グラムくらいは軽くなるので、それでもう1分短縮して、都合87分台。機材に頼る大馬鹿野郎ですが、2分は自分で何とかします!



さて展開はどうだったのか?展開もクソもありませんね。とにかくキッツいレースでした。
2組スタートのお陰で、第1区間は先頭集団でいいペースで走れましたが、やはり小処温泉分岐以降、勾配がきつくなって千切れました。第2区間の激坂では、抜くより抜かれる数がはるかに多く、すごくマイナス思考になりました。でも救いもありました。劇坂も中盤を過ぎもうええ加減にしてほしいなという頃、後ろから、はーはーはーはー、いや、あーあーあーあーと、ヒルクライムではなく何か他のことをしているような喘ぎ声が近づいて来ます。とてもうるさかったので追い抜かれる時に、うるさいっ!って言ってやろうと待ち構えていたら、その喘ぎ声の主が私に声を掛けてきてびっくり。“ちーへっどレーシング頑張れー!”と言いながら追い抜いて行くではありませんか。マッチョ夫妻のお友達だというM谷さんでしたが、お陰で、気持ちを立て直すことができました。追い抜いた後ももちろん、あーあーあーあー言ってました。“ちーへっど”じゃなくて“ちへど”なんやけどなぁ・・・なんて考えながら、少し上向き加減のフォームを見送っていると、何だか楽しくなってきて随分気分が持ち直しましたね。M谷さんに感謝です。さらに、水分補給地点が、偶然私がMag-onゼリーを飲んだ直後だったため、真水のお陰で良い感じで吸収されたマグネシウムが、辻堂以降のペースアップに効いてくれました。そして、1組スタートのあしやん、かこいっちを抜いて、最後は“ヴィランク型ガニ股全力ダンシング”でゴール。
緊張なんかしませんでしたが、前夜はほぼ一睡もできず。さらに食べ過ぎと飲み過ぎゆえに膨満感で、全コースを通じて呼吸が苦しく、胃腸に血液が取られて脚に力が入りませんでしたが、まぁ頑張ったのではないかと思います。来年へのモチベーションが生まれる、ちょうどいい結果だったかもしれません。



激坂が有名で難攻不落な印象を持っていた大台ケ原ではありましたが、平均的に登る乗鞍や菰野伊吹山などに比べれば、(機材も含め)自分の弱点を押さえて準備していけば、意外に目標達成への道程は見え易い、やり甲斐のある大会であると言えます。
それに、もう“愛”としか言いようのない地元の皆さんの温かい盛り上げが、来年も絶対来ようと決意させる、一番大きな要因であることは間違いありません。前夜祭も楽しかったし、ぶらぶらと歩いた坂と階段でできた村の集落も興味深いものがありました。
同行のK野塾の皆さんありがとうございました。今後も揉んでください。
もちろん実行委員会の皆様、それから民宿の女将さんや地元スタッフの皆さんにも大変感謝しております。
ありがとうございました。
来年も絶対参加したいと思います。




以下、自分撮影分、メンバーからの拝借分合わせて思い出に貼っておきます。


山と川と坂と階段と人の営みが作り出す風景。本当にいい所です。


風呂上がりに店先の床几で乾杯。リラックスしたいい笑顔が並んでます。


ビールに地酒に舌鼓。この時点で既にあしやんの毒牙にかかっていたわけです。


前夜祭で上機嫌なお二人。感動しいのM木さんは既に涙目。


ゴール後、GARMIN見て悔しがりながらも爽快感に浸る良い時間。


下山途中に記念撮影。暑くも寒くもなく気持ち良い天気で良かった。


お世話になった民宿。家族でも泊まりたい良い宿。ありがとうございました。