High on Life

NO BIKE NO LIFE

自分にできることとすべきこと

岡山3時間耐久ソロ 
33周 3時間3分1秒 122.2km 40.05km/h 44秒遅れの15位 
最後から2番目の右コーナー手前、T木さんが抜け出すのを見て自分も追った。すぐにH方さんが左から抜いて行くがもう追いすがる脚がない。さらに第1コーナーへ向かう登り勾配で2、3人にかわされた。正直カラッケツ。
第1コーナーを登りながら、T木さんの背中も、H方さんの背中もまだ見えていた。ソロとチームが混ざってはいるけど、前に見える人数からシングルでゴールできそうだと考えてしまった。それで気持ちが切れてしまった。両脚がつったこともあり、なんかフワフワと上体だけでダンシングしているような、思い出せばそんな不安定な状態で、自分の周囲に対する注意が全く欠けていた。

第1コーナー出口、すぐ左に選手がいて、二人の間に距離はない。そこへ私の左脇腹を押しながら強引に1人入ってきた。「おおーい!」と叫んで一旦は避けたが、今度は左肩に当ててきた。思い返せば、当ててきたというより、倒れ込んできたのかもしれない。多分元々左に居た選手に弾かれたんだろう。これはマジでやばいと、瞬時に右に逃げてコースを外れた。その直後後方で落車音。不安定な大粒の砂利の上をフラフラ進みながら、「何とか落車せず停止まで持っていけないか」必死で考えた。揺れるバイクを体幹フル起動で押さえ付け、左脚に渾身の力を籠めてペダルからクリートを外した。この二つの動作が同時に出来たなんて今では信じられない。

3時間、120キロ走ってきてゴールは目の前、しかも順位は過去最高、だったはず・・・。砂利の上でしばし呆然と動くのを忘れていた。振り返るとコース上では二人が落車から起き上がろうとしていた。「馬鹿野郎っ!」大声でそう怒鳴った私を、N谷さんがちらっと見て走り抜けていく。その姿に、「あっ、ゴールせな・・・」そう思い直し、砂利地を歩いてコース上へ。バイクに跨りゆっくりゴールした。





この顛末、自分の不始末として振り返らねば次がない。

とにかく落車と中切れが怖くて怖くて仕方なかった。それに尽きる。トラウマで頭と心が支配されていた。2時間過ぎて先頭付近の動きが活発になると、さらに恐怖心が抑えられなくなった。先頭が間近に見える位置にこだわり、全ての動きに反応した。その間、T木さんもH方さんもトドさんも一度も姿を見ることはなかった。一度トドさんが上がってきて、「動き過ぎ、肩に力入り過ぎ、もうちょっと後ろに居た方がいいですよ」と声を掛けてくれた。「やっぱりぃ、分かりますぅ?」と答えたが、トドさんが下がっていく際に一緒に下がるべきだった。実はトドさんには前半にも一度たしなめられている。もっと後ろに居た方がいいと。その時は元気だったしあまり気にしていなかったが、2度目は素直に聞くべきだった。無駄に力む姿、後ろから見ていると、きっと滑稽だったに違いない。


終盤、T木さんH方さんが前方に出てきた。いよいよか!そう思ったがもうガス欠寸前だった。ラスト2周、トドさんが、H方さんが出る時に一緒に行くよう背中からアドヴァイスをくれる。ウンウンとうなづくが、自分にそんなことができるのか、半信半疑。だってもうガス欠ですぜ、先輩!(後輩だけど先輩!)しかし、ここまで来たら何か結果を残したい。この状態から何ができるか1周するうちに必死に考えた。でも結局大した答えは出ぬまま最終局面へ突入した。



そして冒頭の通りの結末。



突っ込まれたのは、自分がもっといい位置を確保できる脚を残せなかったからです。
脚を残せなかったのは、ガス欠になるまで恐怖心に頭と心を占領された未熟者だからです。

だから自分が悪いのです!
第1コーナーで叫んだ「馬鹿野郎っ!」は、改めて弱い自分に言い聞かせます。



今回は勉強することの多い、良いレースでした。
T木さん、H方さん、トドさん、本当にありがとうございました。
素晴らしい仲間と一緒に走れて幸せです。
最後、ゴールすることを思い出させてくれたN谷さんありがとうございました。
お姉走りでスタート前に笑わせてくれたG藤さんありがとうございました。
パドックでリラックスさせてくれたN川さん、O崎君ありがとうございました。
残りの1時間声援をくれ、帰りにラーメンを付き合ってくれたF本君、O屋君ありがとうございました。



そして、落車しませんように・・・との私の願いを叶えてくれた、湯郷、湯神社の神様、お賽銭も入れなかったのに、本当にありがとうございました。



失意のどん底だけど、良い写真
次は、オキナワリヴェンジです!