サイレントマニピュレーション/ 非観血的肩関節授動術を受けてきました
右の五十肩、痛みの範囲拡大と可動域縮小に歯止めが掛からず、ペインクリニックでのリハビリも停滞感蔓延で、理学療法士さんの提案に乗ることにした。何事も経験だ。
8月ごろから違和感有り。9月のツーのとでは右腰ポケットがまだ走行中使えていたが、10月のツルふくでは降りている時のみ財布を取り出すのがギリギリOK。夜間痛は10月中旬から出始め、練習中はアドレナリンが効いているが、例えば10月後半のOSLTでは、和LAW通過時点で腕は棒状、加茂LAWにゴールする頃には右肩から先が外れてしまいそうな感覚に。加茂LAWで撮った写真は何れも背骨が曲がったお爺さん状態。
11月に入って本格的に夜眠れなくなり・・・、本当のところ、ツールドおきなわが大雨で流れなかったら、2度目のフンガワ下りで右のブレーキングできないとか、まぁ良くても東海岸の途中で握力が無くなって止まったろうなと、今なら白状する(苦笑 。まぁ、言い訳すると、還暦の今年にどうしても140キロ卒業しておきたかったって言う強引な感情で・・・。
2017年だったか、左の五十肩の際には無かった今回の広範囲での酷い痛み。歳のせいもあるし、頸椎症との関係もあるだろうな。おきなわが流れた後、半ば思考停止状態になって放っておいたら、もう生活がままならない程になってきた。そんなタイミングで理学療法士さんから2度目の進言を受け、ハッとして即座に実行となった。
ペインクリニックの先生の紹介状を携え、奈良の整形外科へ。行くまでにもちろん術のことはネットで調べて、大方のことは理解しておいた。最初にネットでヒットしたのは、ちょうど一年前、頸椎症で苦しむ私にコナさんが教えてくれた神戸のパク先生のクリニック。日本で最初に術を施行したのがパク先生だそうな。施術手順、術後の考え方まで色々調べてみたが(単に名前を間違えている人とか、英語の解釈がおかしな人もたまには居たけど)、結果論から言うと今回お世話になった奈良の先生はパク先生と同じ手順の正統派だった。
人気の整形外科のようで、紹介状あるので予約したいと電話で問い合わせると、授動術でも予約は取らないので時間に余裕を持ってきて欲しいとのこと。で朝9時の開院と同時に到着。整理番号を取ると、なんと130番!ギョギョッ!マジかっ!気が遠くなる。9時に行ったのにもう129人も俺より先に・・・?どゆこと?隣で140番の札を持つご婦人に思わず、”凄いですね、もう130番ですよ!?”って涙声で訴える。”あ、これね10番刻みですよ(笑)”だって。なるほど、見たところ老人率88%くらいか、間違いが起き難いやねこれなら、と感心。開院と同時に来たけど、13番目なら理解できる程度の理不尽だ。
先ず問診票と紹介状をもとに看護師さんが問診。専門なので話しの理解は速い。次にレントゲン撮影。ここまでで10時20分くらい?いよいよ先生の問診と腕と肩の動きの確認。あまりの酷さに先生も絶句。紹介状もあるし、これまでの経過も理解していただき、即日授動術決定。普通は別日になるところだが、助かった。
①肩に麻酔とステロイドを注射
②首に神経ブロック注射
③20分くらいベッドで放置
右腕が全く動かなくなった。指だけは痺れながらも動く。毛布の端と思われる部分を指で触るも、木の棒を触っているように硬く感じる。それだけ力が弱っていると言うこと。これにはショックだったし、右腕を動かそうとして動かないと理解した瞬間の恐怖とは、これまでに感じたことのない強い恐怖。自分の体の一部が自分の力で動かせないってこんなにも恐ろしいことなのかと驚愕。夢の中で、沈んでいくあるいは中空から落ちていく自分を感じたり、恐怖体験の中で必死に叫ぼうとして全く声が出ないと言うことはあるが、それが現実に起きているのだ。
④先生が腕と肩を色々な方向に動かす
全く感覚が無い。自分の掌は下に向かって垂れている感覚なのに、掌が上に見えたり、横に見えたり・・・。3、4回はブチッ!って聞こえた。もっとベリベリっとか、バリバリって言うのを想像し期待もしていたが、ブチッ!だった。ネット上の体験談に出てくる端切れを切り裂くような音ではなく、分厚い皮革を破くような音。それだけ関節胞の状態が悪化していたものと思われる。右へ左へ、上へ下へ、前へ後ろへ、物凄い力技で動かしているのが分かる。施術名の長い日本語、流れるような英語と比べて何と原始的なやり方か!?途中で、”相当大変な部類でしょうか?”と聞いてみたら、”こりゃ大変やな!”と、息が上がる感じで先生はお答えなさったもんさ。肋骨が折れるんじゃないかと思うほど最後の押しが続き、遂にブチッ!が鳴って、先生ヨッシャーって一声。体感的には5分くらいにしか感じなかったが・・・実際は???。
⑤起き上がって可動範囲確認
麻酔効いてるし当然といえば当然だが、骨折してないか心配なほどグニャグニャで、どこへでも上がるし曲がるし。一瞬気持ちの中に真っ青な空が広がったが、そう麻酔が効いてるのさ。本当に大変だったみたいで、先生の顔が上気している。それだけ悪かったってことをようやく理解する大馬鹿モノ。とっととやっとけばいいものを。
本当に原始的な力業というより他に表現がない。なのにこれが新しい施術であるのは、エコー精度の発達が味噌なのだろう。正確に神経ブロックができるようになったことから、こんな原始的な施術ができるようになったということ。昔の人はそれでも力技やってたんだろうし、村山聖なんか麻酔無しで睾丸摘出したんだから神の領域だ。
最後に、さぁこれからが本当の闘いですよ!と励まされビビる。明日術後の経過観察で来院するように言われ、三角巾で吊ってもらい、家内に迎えに来てもらって帰宅。
帰宅後、また術後のことを色々検索。改めてパク先生のクリニックに辿り着き、今日の手順が正統派であったことを知る。パク先生の手順以外、ほぼ100%①が④の後に入る手順ばかり出てくるのだ。①を先にやることで、施術後の目的プラス施術時の痛み軽減が確実にでき、施術も思う存分できるはずだ。施術時の痛みを感じる人が多いという情報があるし、いやぁよかったなぁ。