High on Life

NO BIKE NO LIFE

4度目のツール・ド・おきなわ100kmオーバー40


2018年11月9日
馴染みの仲間と関空より出発。一部朝から酒臭い人物有り (苦笑)。
今年は不安も緊張もない。あるのは諦めと開き直り。仕事、五十肩の2大ストレスが引き起こした練習量の低下と酒量の増加により、過去3回とは比べ物にならない巨体での参戦。反面、3月にGARMIN VECTOR 3 を導入してから地道に上げてきた脚力は健在。巨体をパワーで持ち上げて、何とか去年並みの結果を出せないものか、まさに諦めと開き直りの境地。




沖縄入り後はなさんとの精華町コンビで二人旅。那覇からレンタカーで奥間へ直行。ひまわり食堂の牛肉そば大盛りで沖縄メシ初め。与那からフンガワダムを超えて安田のアダガーデンホテルにチェックイン。やんばるの風景が広がる静かで良いホテル。




今年のおきなわは暑いし、体を慣らすため金曜日に心拍を上げておきたかったので、なさんにワガママを言って到着後即試走に出る。せっかく安田に泊まるのだし、140と210でしか通らないコースを走りたいと、そのまま100のスタート地点奥まで北上し、辺戸岬でプチ観光。

奥の登りはわざと重めのギアで脚の調子を見ておく。まずまず。




辺戸から海岸線をなさんとローテしながら気持ち良く流す。脚だけは元気な今年の私。速そうな3人組が高速で追い越して行くが、脚をあまり使いたくないので一旦はやり過ごす。んが、脚が”追い付け!”って言っているような気がしたので追い掛けドッキング。しかし、速いのでローテには入らず温存しておいた。与那からフンガワへの登りでもあえて軽いギアは使わず、レースでの登り方を考え少し出力高めで登ってみた。全体では7キロと長く感じるが、自分の出力を感じながら登っていくと、実はコーナー3つ、多くても4つに1回は勾配が緩むのに気付く。7キロの登りと考えて恐れず、小さな波をいくつも超えていくつもりでいけばもっと速く登れんじゃないか、そんな感触が脚に残った。
ホテルに大浴場がないので、夕食後オクマリゾートのスパへ行き、存分にサウナにも入り体をゆっくり休めた。23時ごろ就寝。




11月10日
昨日バイクレベルで心拍を上げておいたので、今日は歩いて観光。ゆっくりと暑さに対応させておく。安田の集落まで約30分下る。海が綺麗。小さな集落を散策して龍神宮にて明日の無事を祈る。


帰りに協同店で”アダティー”を購入。お店の人と、お店にいた近所の人に龍神宮やニードーマ(拝所)の話しを聴いて、やっぱ沖縄だわぁ〜なんて考えながら、今度は来た道を40分かけて登って帰る。汗を拭いて早速”アダティー”を着てお出掛け。




またひまわり食堂へ行き、今日のお昼はゴーヤチャンプル。めちゃウマ。名護で受付を済ませ、2回お世話になっているN浜さん(個人タクシー)に来てもらって奥間へ戻りまたスパとサウナ。これやっとかないと、バスタブにお湯ためて入っても体温まらないし、疲れも取れないし。そのままアダガーデンホテルまで送ってもらい、バイクとジャージのゼッケン付けて、明日の準備をして夕食。この日は早めの21時に就寝。程よい運動で程よく疲れているのでこの時間でも眠りにつくことができた。

21時に寝て、22時、23時、2時と3度小便に起きるも、比較的よく眠れた方だ。肩と腕の痛みはいつもと同じだったけど、眠気が勝った感じ。




11月11日
5時起床。バナナ、ヨーグルト、コーヒーを流し込んでいつものプチ加圧体操で体を起こしておき、ゆっくり目に朝食をとり、軽量化を経て荷物をまとめてチェックアウト。6時50分にバイクを預けてバスに乗り込む。奥に着くと、オクマリゾート組は大方到着していてアップをしている。しかし我々のバイクを積んだトラックが一旦引き返してなかなか帰ってこない。イライラしながらも、共同店でまた軽量化したり、ジョグでアップしたりして待つうちにバイク発見。荷物を預けてレースとは逆方向の登りを途中まで2回登って、最後もがいて心拍170まで上げてアップ終了。スタート地点に戻ってそのままバイクを並べる。一般ピーポーの3列目ゲット。
近くに並べたU佐美さんと軍曹に挨拶。”誰ぇっ?誰か分からんくらい体デカなってるやん!”のU佐美さんのご挨拶で、改めて情けない自分を思い出す。嗚呼恥ずかしい・・・。今年は北陸からK合さん、K見さんらも参戦しているので、210キロの通過を待ちながらご挨拶して談笑。




9時40分招集、シード権を持つ50人の後ろから10時10分ごろスタート。
https://connect.garmin.com/modern/activity/3152852026

106.50km 3:20:14 31.9kph 1,587 m↑ Ave206W Max608W 20mMaxAve256 W
NP219W TSS240.8 2,163 kJ
鬼門の奥の登り。今年の体重で山頂まで先頭集団で行けるとは思っていない。出力でどこまで粘れるかが課題だったが、予想以上に早く千切れた(涙)。あとは下りで先頭に追いつけるかどうか。辺戸岬の登り返しで第2集団が形成され、このまま順当にいけば先頭まで行けるはず、なのだが、海岸線の追い風の影響もあり、追い付くのにトンネル二つ分を要した。集団にはなさん、K合さんもいて、言葉を交わしながら前へ上がっていく。
集団に追い付いたのはいいが、自分の体が重すぎるのか、バイクの調子が悪いのか、集団後方にいるのに楽に走れない。変に前が空いて詰める、を繰り返しなかなか調子に乗れずに、無駄に消耗していく感じが非常に気持ち悪い。
与那からの登り、試走の感触を思い出しながら出力高めに行こうとするが、レース本番、なんせそれどころの出力ではないのは当たり前。すぐに消耗してお約束の2キロで千切れ始める。一昨日の感触を思い出そうとするが、あまりのキツさにただただ軽いギアで耐えていくのみ・・・、という毎年と同じ繰り返し。なんでこう上手くいかないかなぁ・・・と自問自答しながら登るうちなさんが追い抜いていく。やっぱり本番い強いなさん。また今年も負けるのか・・・。出来るだけなさんから離されないように登りきり、学校坂までにドッキングしたいのだが、少しづつ遠くなっていくなさんの背中。それでもギリギリ見える範囲で頂上へ。ボトル1本でスタートし、ダム手前で全部飲み干し水とスポーツを1本づつ受け取り70号線の下りに入る。




今年は悪夢のチェーン落ちは無い。腹立たしいトラブルを回避するためSHIMANOに魂を売った昨年末。デザインのダサさはもはや気にならない程に有り難い。Di2様様やぁ〜♪♪、それが正直な気持ち。学校坂は最初がキツイので脚を調子に乗せ難い。我慢して我慢して後半ケイデンスを上げて前に進む。この辺りまだバラバラと走っている感じでなかなか集団化できない。学校坂を過ぎればアップダウンの繰り返しなので、いい感じで集団化できれば波を打つように距離をこなしていけるのだが。どうも上手くいかない。数人固まってもすぐにバラけてしまい、集団が集団を呼ぶ、という風になっていかない。学校坂頂上から高江までは海岸線から離れた高地を行くためアップダウンが緩い。この区間を集団で走れればかなりタイムを取り戻せるのだが、結局高江までは小集団形成→登りで崩壊、が続き単独走がほとんどでかなり脚を削った。




東村の海岸線を高速で行く。やっと集団走行。140キロ、210キロ、100キロ混走の集団。こうなると距離の消費が早く感じ楽だ。しかし今年は平坦が異常に速い。集団にいるのにやたらと脚を使う。あまりの速さに先頭に出る前に右手を出して下がる選手が続出。みんなキツイんだなぁ・・・。私も慶佐次の手前、左にゆるくカーブしながら風を受ける区間で先頭交代が辛くて右手を出してしまった・・・。申し訳ない気持ちで一杯だったがどうしようもなかった。この海岸線今までで一番速かったと思う。あっという間に慶佐次の補給所に至りスポーツ1本受け取る。ここまで本当にあっという間だったが、この後が長かった。
有銘、天仁屋、カヌチャ、安部と、気の遠くなるようなアップダウンを繰り返し進む区間は厳しい。相当脚を削られた後に大浦の海岸線でまた風を受ける。そういえば有銘過ぎた辺りからチャリダー男子部の文平が集団にいる。積極的に前を引き、安部で平坦に入ってからもローテで後ろへ下がらず、中程に入って前へ上がっていく。かなり真剣な背中。大浦湾沿いはしばらく彼の後ろで走ったが上手に走っていた印象。
さぁいよいよ大浦を右折。集団内でいくつかの雄叫びが上がり、私もおっしゃっ!と応えて登っていく。
遠く前方に見える地獄へと続くブリッジ。先に地獄があると知りながら皆が取りすがり登っていく悪夢のブリッジ。慶佐次の補給所前から右脚がずっと攣っている。脚が攣ったのは、初めて出場した2015年以来(あの年も暑かった)で誤魔化し誤魔化しここまで来た。最後にと取っておいた腰ポケットの電解質パウダー入りフラスクを飲み干し気合いを入れる。登り初めてすぐ、集団は木っ端微塵になった。
ブリッジに入ると前方に真っ赤な大正池。苦しげに揺れる背中で大正池から鮮血が滴り落ちている。見るからに苦しそうで上体が激しく揺れている。まさか追い付くとは思っていなかったので、ここでケイデンスが急激に上がりすぐに追いついた。後でSTRAVAのFlybyを見ると面白かった。私はある理由から下りが遅い。東海岸へ出た後、登りで私が詰めて、下りでなさんが引き離す、を何度も繰り返している。結果、番超トンネルまでの長い登りで私が追いついた後、羽地ダムを超えて58号に至るまで長い下りが無い分、ゴールに先着したようだった。
ともあれ、羽地は今年も辛かった。番越トンネルを抜け右折してからのしつこいコブの繰り返しに気が遠くなる思いだった。最後の最後は、インナー×ローでふらふらに蛇行しながらやっとこさクリアした。タクジトンネルを抜け、下りながらようやく安堵の気持ちが生まれてきた。どんな状況であっても、羽地を過ぎるとある感情が込み上げて来る。川上関門で足切りにあった初出場の記憶。その記憶が蘇って来ると胸が潰されそうになる。

川上交差点が近付くにつれ数人が数人に追いつき、それなりの集団が形成された。58号線をローテしながら進む。イオン坂で少々崩れた陣形を、下りでまた取り戻しながら進んでいく。五十肩の痛みをかばいながら走るので、首や背中にも痛みが出ている。ポジションを頻繁に変え耐える。8月1日に申込んだ時には、もうちょっと治ってるだろうと期待していたが、実際はほぼ変化なし。しかしここまで来たら痛いなんて言ってられないので、恐らく不恰好だっただろうけど、ラスト500からなけなしの脚でスプリント開始。後ろから4人くらいが駆け抜けていき、その後をふらふらになりながらゴール。自己比較上最悪のデブ野郎の挑戦は終わりました。92位でした。情けない・・・。





見よ!この史上稀に見る分厚いカラダ!
なさんと握手したり、練習太郎さんの3位を喜んだり、写真撮ってもらったりして、直ぐに駐車場へ行きパッキングして西濃さんへ持ち込み。その後戻ってふれあい会場へ。ビールもらって、なさん、トドさん、軍曹、S田君のいるテーブルへ。表彰式を待つ練習太郎さんにビールを持って行ったりして楽しい時間を過ごす。

ビールに泡盛で盛り上がって、表彰式の終わった練習太郎さんを囲んで記念撮影。

大正池倶楽部はメジャーレースに強い!




ルートインにチェッキンしてお風呂に入って打ち上げの焼肉。練習太郎さん、なさん、トドさん、軍曹、N川さん、Y浅さん、S田君、T波夫妻のメンツで恩納村の高級焼肉でめっちゃ盛り上がって、めっちゃ美味しくて、本当に楽しいひと時を過ごすことができた。練習太郎さんのボルテージが上がるにつけ、明朝の氏の状態が心配では有りましたが、人生に何度もない幸せをみんなにも味わわせてくれたことに感謝して、私も泡盛何杯かお付き合いしました、美味しかった!楽しかった!それが嬉しかった!





冒頭にも書いたように、今年は情けない状態での参戦した。左の腰ポケットは使えない、振動に長く耐えらえれない、下ハン持ち続けられない、クラウチング姿勢とり続けられない、夜痛みで直ぐ目がさめる・・・、そんな五十肩のハンデを背負ってのおきなわ参戦でしたが、考えようによっては実験的で少しだけ実りのある結果だったかもしれません。出力と体重の関係も身を以て知ることができたし、その管理がうまくいけば、どのくらいまで走れるだろうか、という目処が何となく付いた気もしてます。甘いけど。
そして機材面で少し不安材料が・・・。下りでのシミー現象です。奥から辺戸への長い下りで今年もまたハンドルが揺れまくりました。毎年ですね。死ぬかと思いました。ネットで調べても原因が輻そうしていてはっきりしません。ちょっとこれは深刻ですね。




来年?どうなるか、昨年までのように、”絶対来年リベンジ!”的な感情はありません。機材トラブルが無かった分、冷めた感覚で結果に向き合えていますね。出力と体重の関係改善ができれば様々な局面で変化が現れ、バイクに乗ることや、レースに出るモチベーションはさらに上がる可能性があります。おきなわに対しても新しい感覚が生まれて来ることを期待して、この冬も二毛作に励もうと思います。




明日から土日を挟んだ出張なので、おきなわの記事がいつ書けるか心配でしたが、どうにか書いちゃいました。走り書きなので帰国後に、もう少し細かい描写など修正が入るかもしれませんが、一旦ここで締めておきます。
練習仲間の皆さん、離れた場所で頑張っている皆さん、また来年もよろしくお願いします。そしてまたレース会場で会いましょう。